北海道ワインが新たにノンアルコールのカクテル「おたるナイヤガラビネガーミスト」を開発した。同社のワインビネガーを使った健康志向のカクテルで、酒が飲めない人や車で工場見学に訪れる観光客らに提供、小樽の新たな名物として普及に力を入れる考えだ。
同社が製造する白ぶどうを原料とする酢「おたるナイヤガラワインビネガー」に蜂蜜を加え、炭酸水で割り、ブルーシロップで色付けした。スライスしたイチゴとミントを添えている。夜霧に包まれる小樽運河をイメージしたという。
市内の花園地区で40年近く続く老舗カクテルバー「モダンタイムス」のマスター、太田善之さん(68)が監修。「蜂蜜で酢の強さを抑え、後味を爽やかになるよう意識した」と話す。
同社は2013年に地場産の日本酒やワインを使ったご当地カクテルの草分け的存在「おたる生ワインボール」を開発。レシピを公開するなどして市内の飲食店で普及活動を続けてきた。
ただ、本社の工場見学ではアルコール以外は市販のソフトドリンクがメインで、「せっかく足を運んでくれた人に北海道ワインらしい飲み物を提供したかった」(同社)と、ノンアルコールカクテルを初めて開発した。13日から本社売店で1杯700円で販売。
同社の中沢中営業部長は「観光客の回復も顕著で、宗教上の理由などで飲酒ができない人にも、小樽の味として浸透するよう、力を入れていきたい」と話している。 (石垣総静)
(北海道新聞2024年5月10日掲載)
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