【千歳】北海道中央葡萄酒(ぶどうしゅ)千歳ワイナリー(高台1)の「北ワイン ケルナーレイトハーベスト2021」が、国内最大規模のワイン競技会「日本ワインコンクール」(実行委主催)の「極甘口」部門で、金賞・部門最高賞に輝いた。同ワイナリーは「欧州系品種白」部門でも金賞に選ばれたほか、「同赤」部門では初の入賞を達成。3部門で計6銘柄が入賞した。三沢計史(かずし)社長(41)は「極甘口部門で『日本一』という評価を得ることができ、素直にうれしい」と話している。
同コンクールは国産ブドウ100%使用のワインが対象で、2003年にスタート。新型コロナウイルス禍による中止などを経て今年が 20回の節目だった。
今回は12部門に941銘柄が応募。審査員30人が7月、香りや味わいなど各項目を100点満点で採点し、点数に応じてグランドゴールド、金、銀、銅の各賞を選定した。
極甘口部門は①1リットル中の残糖が100グラム以上②720ミリリットル瓶換算で100本以上が瓶詰めされている-などの条件を満たしたワインが対象で、9銘柄が応募。入賞3銘柄のうち、後志管内余市町の木村農園産のケルナーを使った千歳ワイナリーのワイン2銘柄が1、2位を占めた。
中でも、糖度27~30度の遅摘みブドウを使ってゆっくりと低温発酵させた2021年産ワインの評価がとりわけ高く、三沢社長は「極甘口ワインは天候に恵まれ、ブドウがしっかりと熟した年にしか造ることができず、数量が限られる貴重なワイン。食後にチーズなどと一緒に楽しんでもらえれば」と語る。
また、219銘柄がエントリーした「欧州系品種白」部門で金賞となった「北ワイン ケルナー2023」について、三沢社長は「フレッシュですっきりした味わいの辛口ワインに仕上がった。定番ワインでの金賞獲得は自信になる」と話す。
2006年の国産ワインコンクール(当時)で初入賞を果たして以降、これまで31銘柄で入賞を獲得してきた同ワイナリー。三沢社長は、236銘柄応募の「同赤」部門の初入賞も含めた今年の成果を受け、「着実にステップアップしている」と実感しつつ、「これからも地元の人たちの誇りになるワイン造りを続け、地域の発展に貢献していきたい」と決意している。
同ワイナリーの入賞ワインは、東京で31日に開かれる実行委など主催のセミナー兼試飲会で紹介されるほか、同ワイナリーなどで販売中。問い合わせは同社、電話0123・27・2460へ。 (梶山征広)
(北海道新聞2024年8月20日掲載)