9月6日(金)に開幕した「2024さっぽろオータムフェスト」の会場となっている札幌・大通公園は、北海道の秋の味覚とおいしいお酒を求める人たちで連日、にぎわっています。北海道産のお酒がそろう「大通公園7丁目BAR」で、北海道産のクラフトビールをメーンに、それに合うフードとのペアリングを楽しむブースがあるのを見つけ、TripEat北海道編集部のスタッフと一緒に訪れてみました。
大通公園7丁目の北東側に「HOKKAIDO CRAFT BEERペアリングVillage」と銘打ち、4ブースが出店しています。4店はそれぞれ、北海道内のクラフトビールブルワリーの生ビールを提供し、それに合うフードを提供しています。
目次
ハンバーガー×ジャクソンビール(月と太陽ブリューイング)
<ジャクソンビル>
「ハンバーガーレストランジャクソンビル」は、札幌市内で4店を展開するハンバーガーショップ。地産地消を掲げ、北海道産牛肉100%のパテを、北海道産小麦を使った独自開発のバンズではさみ、トマトやレタスなどの野菜も北海道産を使用しています。
ここでは、ジャクソンビルのオリジナルビール「ジャクソンビール」(900円)を取り扱っています。「月と太陽BREWING」(札幌市)に委託醸造したIPAで、アルコール7%。通常、店では缶で販売しており、生で飲めるのはここだけです。
これに合わせるのは、もちろんハンバーガー(800円)。バンズにはさまれたパテは見ただけで肉々しいのが分かります。パクッと一口かじると、圧倒的な牛肉の存在感。ぎゅっと締まった食感で、かむほどに肉のうまみが出てきます。塩味と強めの黒コショウが牛肉の味を引き立てます。
そこへ、ビールをごきゅごきゅ。IPAらしい苦みがしっかりありますが、甘みもあるので飲みやすい。アルコール度数が強めで、バーガーの力強さに負けていません。
ハンバーガーはほかに、「ワイルドウエスト BBQチーズバーガー」(1100円)や長い串にバンズやパテ、ズッキーニ、トマトなどが刺さった「デカ串チーズバーガー」(1400円)もあります。サイドメニューにはフライドポテト(600円)やオニオンリング(同)も用意されています。
店名の「ジャクソンビル」は、アメリカ・オレゴン州の小さな村で、オーナーがそこで食べた本格ハンバーガーに感動し、10年修行して本場の味を習得したそうです。「アメリカ帰りの本物の味」を、ジャクソンビールで流し込みましょう。
カプレーゼ×ノースアイランド・ブラウンエール
<Bal farina>
「Bal Farina」では、「NORTH ISLAND(ノースアイランド)」(江別市)のピルスナー(600円)とブラウンエール(800円)を取り扱っています。ノースアイランドは2002年創業で、北海道のクラフトビールブルワリーの老舗のひとつです。
フードは、ピザや串焼き、もつ煮込みなど、一目でビールに合いそうなものがそろいます。その中から、「道産トマトのカプレーゼ串」(600円)をチョイス。店のスタッフに「どちらのビールが合いますか」と聞くと、ブラウンエールをすすめてくれました。
ブラウンエールは茶褐色で、麦芽のこくと香ばしさを感じます。どっしりとした印象ですが、芳醇さもあり、まろやかな味わいです。カプレーゼのトマトは、遠別産のアイコで甘さが強く、大きめにカットされたモッツァレラチーズは、とても弾力があります。甘いアイコとクリーミーなモッツァレラを香りの良いバジルソースがまとめています。このアイコの甘さが、ブラウンエールのまろやかさにぴったりです。
チーズニョッキ×トランスブリューイング・平岸ラガー
<ごはんばー 人にやさしく>
「ごはんばー 人にやさしく」では、「TRANS BREWING(トランスブリューイング)」(札幌市)の定番「平岸LAGER」と「TRANS LEMON ALE」を置いています。平岸ラガーは「ジャパン・グレートビア・アワーズ」の2022で銅賞、24で銀賞、レモンエールは23、24ともに銅賞を受けています。普通サイズは600円ですが、大は1000円、飲み比べは1100円です。
フードは「つぶのガーリック炒め」(700円)や「セセリガーリック炒め」(900円)、変わったところでは「道産いちごとシャインマスカットのカプレーゼ」(1000円)などがありました。
平岸ラガーを購入し、「さつまいもと3種のチーズニョッキ」(850円)と合わせてみましょう。チーズソースと粉チーズがたっぷりかかったニョッキは、クリーミーで濃厚。もちもちな食感とあいまって、食べ応えがあります。そこに、平岸ラガーをごくり。香りが華やかで、ストレートな王道ビールの味わいが、さっぱりさせてくれます。添えられたサツマイモのチップスをはさみながら、ニョッキとビールを交互に食べ進みます。
塩ジンギスカン×スミカワビール・澄川IPA
<ジンギスカンとモツ鍋 ひろ米>
「ジンギスカンとモツ鍋 ひろ米」は、「スミカワビール」(札幌市)のビールを販売。日替わりで2種類を用意しており、この日は「澄川IPA」と「澄川ピルス」をつないでいました。Mが900円、Lが1100円です。
フードは「ジンギスカン焼きそば」(800円)やラムチョップ(1500円)、ラムカレー(700円)など、〝羊推し〟。鉄板でその場で焼いてくれます。
片手で持てる「カップジンギスカン」(塩、醤油各800円)の塩を選び、澄川IPAと合わせてみましょう。紙コップに入れられたジンギスカンは、底に薄切りのネギが入っています。細かくカットされたジンギスカンとネギを一緒に食べてみると、ごま油の香りがふんわり。ネギのシャキシャキ感と香りが、ジンギスカンによく合います。そこへ、澄川IPAを一口。ホップが優しく香り、IPAにしては苦みは弱めで、穏やかな飲み心地です。ジンギスカンのくせとごま油の香り、ちょっと強めの塩気がIPAの苦みとよく合い、ジンギスカンの脂をIPAが流してくれます。
「ビールなら、たいがいの食事に合うんじゃない」と言うなかれ。同じビールでも、苦みやこく、香り、キレなどさまざまな特徴があり、それぞれに合うフードも変わります。ビールの特徴によって、いろいろな食べ物を合わせてみると、新たな発見があるかもしれません。
チーズニョッキをちょっと残したままビールを飲み終えてしまい、「これは赤ワインにも合うんじゃない?」とキャメルファームワイナリー(余市町)の「ブラウフレンキャッシュ プライベートリザーブ」(グラス1400円)と多田ワイナリー(中富良野町)の「ピノ・ノワール」(同1000円)を追加で買ってしまいました。もちろん、赤ワインにもぴったりでした。