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2024.10.22

札幌・創成イーストでおいしい朝ごはんが食べたい! おすすめ飲食店ご紹介

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

 札幌市中心部を流れる創成川の東側、古くて新しいエリア「創成イースト」で、おいしい朝ごはんを楽しんでみませんか。食と観光のウェブサイト「TripEat北海道」を運営する北海道新聞社は11月1日、創成イースト地区の札幌市中央区大通東3丁目に社屋を移転します。これを機に、創成イーストで早朝から営業している、朝ごはんのおいしい店をピックアップしてみました。

10種以上のフリードリンクとスープでゆとりの朝を
カフェ FAbULOUS(ファビュラス)

ファビュラスの入り口。大きな窓(左)が目印です

 大きな窓から柔らかな日差しが差し込み、高い天井ではシーリングファンがゆっくりと回っています。ヴィンテージのテーブルといすをゆったりと配した店内は明るく、開放感にあふれています。カフェ「FAbULOUS(ファビュラス)」のモーニングでは、そんな空間の中、サンドイッチやトーストを食べながら、10種類以上のドリンクを楽しむことができます。

窓から差し込む日差しと高い天井で開放感あふれる店内

 ファビュラスは2005年、雑貨店としてオープン。服やインテリア、食器など衣食住にまつわる雑貨を取り扱うなか、「商品を見ながら、店内でお茶でも飲めたら」とカフェも併設されました。現在は、店の入り口を入った手前がカフェスペース、奥がショップになっています。

 建物は元製菓工場で、はりがむき出しになった天井やがっしりとした柱、入り口部分のシャッターなどは当時のまま。壁一面の窓と壁の上部に付いた明かり取りの窓から入る日差しと、高い天井で開放感があります。壁には絵画が掛けられ、1~2カ月ごとにアーティストが入れ替わり、店内の雰囲気も変わります。

一番人気のベジタブルサンド(左)とフルーツサンド。後ろはフリードリンクの一例とスープ(右)

 モーニングのメニューは6種類。一番人気の「ベジタブルサンド」(1150円)は、厚めにスライスした人気食パン店「おかめや」のパンで、アボカドとニンジンのラペ、紫キャベツ、レタス、トマト、キュウリとたっぷりの野菜をはさんでいます。7~8センチほどの厚さをものともせず、大きな口でかじりつくのが正解です。キャベツやレタスのシャキシャキ感、ラペのさわやかな酸味、アボカドのクリーミーさなどが混ざり合い、パンに塗ったからしマヨネーズと、野菜の間に入れたシーザードレッシングが野菜のおいしさを引き立てます。

イチゴやキウイ、アプリコットなどの断面が美しいフルーツサンド(右)

 「フルーツサンド」(同)もファンが多い一品。切り口からは、イチゴやキウイ、アプリコットなどが顔をのぞかせています。生クリームにヨーグルトを加えたさわやかなクリームをたっぷり使い、フルーツの甘さや酸味をまとめています。「トロッと玉子のハムチーズトースト」(900円)は厚切りパンの上に半熟卵、ハムとチーズを載せて焼き上げており、ナイフを入れるととろけたチーズが伸び、半熟卵の黄身がとろーりとあふれてきます。ほかに、サンドイッチ「ハム&チーズ」(1100円)、トーストの「小倉ホイップクリーム」(900円)と「フルーツジャム」(同)がそろいます。

10種類以上がそろうフリードリンクコーナー

 いずれも、コーヒーや紅茶、瀬戸内レモネード、ハーブティー、オレンジやライム、ペパーミントを入れたファビュラス特製のデトックスウォーターなど10種類以上のドリンクを1時間、フリーで楽しめます。スタッフの菊地葵衣さんは「中には、アップルジュースと紅茶を組み合わせてアップルティーにしたり、ミルクとアイスコーヒーを上手に2層に注ぎ入れて、オリジナルドリンクをつくる人もいます」と達人の利用の仕方を教えてくれました。さらに寒くなってきたこの時期には、スープも登場。豆と野菜のクリームスープもフリーです。

壁にかけられたアート作品は、一定期間ごとに変わります

 モーニングは午前10時半ラストオーダーで、11時からはランチタイム。ガレットやカレーなど5種類を用意しています。卵とベーコン、チーズ入りの定番ガレット「コンプレット」(1300円)やブランド卵「下川六0酵素卵」の温玉を添えた「大豆ミートのキーマカリー」(1500円)、トマトのまろやかな酸味のきいた「ハヤシライス」(1500円)など、すべてコーヒーか紅茶、ジュース、ホットスープなどから選べるセットドリンク付きです。

 カフェタイムにはケーキやジェラートを盛り合わせた「スイーツプレート」(1300円)、やオリジナルブレンドコーヒーのゼリーとホワイトコーヒープリンにエスプレッソカラメルをアクセントにした「珈琲ゼリーパルフェ」(1400円)、「ベイクドチーズケーキ」(700円)や「ガトーショコラ」(同)など手作りのスイーツを提供します。

店の奥のショップスペース

 店の奥のショップスペースには、服やバッグ、日用雑貨、ヴィンテージの家具などが並んでいます。雑貨目当てで来て、「ちょっと休憩」とカフェでブレイクタイムをとったり、モーニングを楽しんだ後についでに雑貨を見たりもできます。

 また、小樽市内に今夏、国内外の工芸品や民芸品、日用品などを扱うショップとティールームなどを備えた姉妹店「群青」のうち、ショップスペースの「藍(らん)」がオープン。ティールーム「翠(すい)」なども順次、開業する予定です。

住所/札幌市中央区南1条東2丁目3-1 NKCビル1階
電話番号/011・271・0310
定休日/なし
営業時間/モーニング=午前9時~11時半(ラストオーダー10時半)、ランチ&カフェ=午前11時半~7時(L.O.6時半、ランチセットL.O.2時半)、ショップ=午前9時~午後7時
座席/4人掛け×7、3人掛け×3、2人掛け×1、大テーブル6席
全面禁煙
※情報は取材当時のものです

トーストやコッペで元気にスタート ランチやティータイムも充実
喫茶 ドロシー

創成川沿いのビル1階に入る喫茶 ドロシー

 大きな窓から見える創成川河畔の木々を借景に、モーニングコーヒーを味わうことができるのが「喫茶 ドロシー」です。「日々に寄り添う」がコンセプトで、朝はトーストやコッペパンとドリンクのセット、昼はしっかりご飯や手作りスイーツで、訪れる人の毎日を元気づけてくれます。店内のあちこちに猫の絵や雑貨が飾られており、窓からの日差しを感じながら、猫のようにゆったり、のんびり、リラックスできそうです。

創成川に面した窓から、日差しが差し込む店内

 同じく創成イーストにある「喫茶 小鳥」(南3条西2丁目7)の姉妹店として昨年6月にオープン。小鳥は昼からの営業ですが、ドロシーは午前8時から開いています。大通バスセンターや中央バス札幌ターミナルが近いこともあり、店長の佐藤友香さんは「長距離バスで到着した人や観光客、近くにお勤めの方など、年代も性別も幅広いお客さまに来ていただいています」と言います。テーブルやいすは木目調で、ガラス張りの店内は明るく落ち着いた雰囲気です。

スパイスの香りが食欲をそそるチーズカレートースト

 モーニングはトーストとコッペを用意しており、おすすめは、今夏から提供を始めた「チーズカレートースト」(850円)。ドリンク付きで、ホットかアイスのコーヒーか紅茶、オレンジジュースから選べます。

 チーズカレートーストは、人気の食パン店「おかめや」の厚切りパンに、ドライカレーとチーズを載せてトーストされ、とろけたチーズとカレーの香りに食欲をそそられます。カレーは、しっかり炒めたタマネギの甘さがカレーのうまみたっぷり。チーズの塩気がこくを与えています。佐藤さんは「カレーの香りに誘われて、1人が注文するとつられてオーダーする人が続きます」と笑います。

 コーヒーは苦みと酸味のバランスのとれた、飲みやすいタイプ。「DO・RO・THY」と店名の入ったかわいらしいカップにたっぷり入っているのが、うれしいポイントです。ちなみに店名の「ドロシー」は、架空の猫の名前だそう。

店内の壁には猫の絵が描かれていたり、絵画がかけられたりしています

 モーニングはほかに、カスタードクリームと生クリームを塗ったトーストに細く絞ったチョコクリームをかけたティラミス風の味わいの「モンブラントースト」(ドリンク付き900円)や「はちみつチーズトースト」(同800円)、マヨネーズで和えた潰したゆで卵に、隠し味ではちみつを加えたペーストをはさんだ「たまごコッペ」(同750円)、「あんホイップコッペ」(同850円)などがラインナップされています。

テーブルやカウンターなどあちこちに、猫のオブジェが
お昼寝中の猫の置物にもいやされます

 午前11時半以降は、ランチメニューも登場。「ナポリタン」(850円)や「カレードリア」(980円)といった喫茶店定番のメニューのほか、「カオマンガイ」(900円)や「バターチキンカレー」(同)の本格的な味わいも支持されています。いずれもチキンブイヨンのタマネギスープ付きです。

 また、「しゃけ定食」(1100円)や「鯖定食」(同)に付くポテトサラダは、かすかにくん製の香りを付けたたくあんを刻んで入れており、隠れた人気となっているそうです。

焼き上がったバスクチーズケーキ。スイーツも手作りです

 ドロシーのもう1つの人気メニューはスイーツです。「バスクチーズケーキ」(550円)や「スコーン」(400円)は佐藤さんの手作り。モーニングやランチの合間に、ひとつひとつ丁寧に焼き上げます。「本日のタルト」(600円)は季節によって変わります。この時期は洋梨キャラメルクリームで、もう少しするとクリを使ったタルトも出ます。夏にはブルーベリーとレモンカード、プラムとチーズクリームなど、その時手に入るフルーツや食材、食べやすさなどからレシピを考えるそうです。

 「黒猫クッキー」(250円)は、店の雰囲気に合わせて、姉妹店の人気焼き菓子店「ろんど」(大通西2丁目、さっぽろ地下街オーロラタウン)が作っています。

 佐藤さんは「今後はケーキ数種類とアイス、スコーンなどを盛り合わせたスイーツプレートも出してみたいです。『秋限定』や『クリスマス』など、時期に合わせたプレートがあると楽しみに来てくれるお客さんも増えるかも」と夢を膨らませています。

 製菓調理専門学校を卒業後、これまでデパートの中のカフェで働き、今年1月からドロシーに移った佐藤さんは「毎日来てくれるおじいちゃんの常連さんがいたり、週に何度もランチを食べに来てくれる近隣にお勤めの方がいたり、一言言葉を交わせるお客さんとの距離の近さが魅力。新しいレシピのタルトを『おいしいね』と言ってくれるお客さんの反応も励みになります」と話しています。

住所/札幌市中央区南1条東1丁目2-1 太平洋興発ビル1階
電話番号/011・231・3110
定休日/月曜
営業時間/モーニング=午前8時~11時(ラストオーダー10時半)、ランチ&カフェ=午前11時半~午後5時(ラストオーダー午後4時半)
座席/4人掛け×1、2人掛け×3、カウンター6席
全面禁煙
※情報は取材当時のものです

具だくさんの日替わりスープで、心も体も温めて
珈琲 軽食 ひいらぎ

ひいらぎのスープSet(右)とハニートースト(左)、自慢のコーヒー

 「宮越屋珈琲」の豆を使い、ハンドドリップで丁寧にいれた香り高いコーヒーが自慢の「ひいらぎ」で朝ごはんを食べるなら、10種類以上のトーストやサンドに、具だくさんのスープを組み合わせるのが1番のおすすめ。スープは名の通り具がごろごろ入っていて食べ応えがありますが、野菜たっぷり、優しい味付けで胃もたれや食べ飽きとは無縁。パワーチャージして、元気な1日を送ることができそうです。

スープは日替わり。この日はチリコンカンです

 最もシンプルな「スープSet」(980円)は、バターを塗ったプレーントーストと本日の具だくさんスープ、ジャムがワンプレートに盛り付けられています。プラス250円でホットかアイスのコーヒー、紅茶、クランベリーティーを付けることもできます。ランチ時には、これにミニサラダが付きます。

 スープは日替わりで1~3種類。この日は、「グリーンカレー」と「チリコンカン」、「牛コマ肉とキノコ、ズッキーニのデミトマトシチュー」でした。別の日には、「冬瓜のかきたま生姜スープ」や「ジャガイモ、ベーコン、ニンジンのジャーマンスープ」、「ロールキャベツクリームソース」など、バリエーション豊かです。

スプーンですくうと、具がごろごろ入っています

 チリコンカンは、数種類の豆のほか、たっぷりのひき肉やカットしたソーセージ、しめじなどが入り、スープというより、シチューか「つゆだく」の煮物といった印象。カップにたっぷり入れられ、ボリュームもありますが、スパイス感や辛さよりも、トマトの甘さやうまみが感じられます。店主の皆上まゆ子さんは「最初は近隣にお勤めの方に『スープなんかで腹が膨れるか』と怒られたこともありますが、今はボリュームがあることが浸透し、支持してもらっています」と笑います。

 トーストは厚切りで、表面はカリっと、中はふわっと。人気食パン店の「おかめや」のパンです。近年流行した「高級食パン」のような甘さはなく、パンのおいしさを感じられます。厚めにスライスしたおかめやの食パンを、一般的なトースターよりワット数が高く、火力の強いトースターで焼き上げることで、よりおいしさを引き出します。皆上さんは「おかめやのパンは、お腹はいっぱいになるけれど胃もたれしません。食べ飽きしないパンです」と話します。

溶けたアイスがソース代わりになるハニートースト

 トーストやサンドはほかに、特製ソースや具、チーズをたっぷりのせた「ピザトースト」や「ふわふわ玉子サンド」、ハーブと塩、オリーブオイルをかけた塩味の「スパイスハーブトースト」(ミニおかず付き580円)などの食事系も充実。桃の缶詰とクリームチーズをはさんだ「もも缶クリームチーズサンド」や甘酸っぱいベリーソースとホイップクリームを塗った「ミックスベリー」など、おやつにもなるスイーツ系もそろえています。

 スイーツ系の中でも人気の「ハニートースト」はバターを塗ったトーストにはちみつをかけて、アイスクリームをのせています。熱々のトーストでアイスが柔らかくなり、溶けたアイスをソースのように付けながら食べると、はちみつの優しい甘さとアイスの冷たさ、かすかなシナモンの香りで、手が止まらなくなりそうです。見た目より、あっさり食べられます。

 これらのトーストやサンドは単品780円、スープとセットにした「よくばりスープSet」は1300円です。250円プラスで、コーヒーなどのドリンクも付けられます。

落ち着いた雰囲気の店内

 実はこのスープやトースト類は、モーニングメニューではなく終日、提供。このほか、午前11半からは、日替わりランチメニュー(980円)もあります。メーンにご飯とみそ汁、サラダが付き、唐揚げ定食や豚バラ大根定食、ビビンパ丼など、多彩なメニューが登場します。皆上さんは「家庭料理の延長です」と言いますが、喫茶店の定番メニュー、ミートソーススパゲティやナポリタンのほか、ジャージャーめんや油そばなどの汁なしラーメンが出ることもあり、ジャンルレスです。

コーヒーをオーダーすると、皆上さんがお客さんごとに、合いそうなカップを選んでくれます

 ニンジンとクルミ、チョコチップなどの自家製ケーキ(600円)も日替わりで用意。「小倉しらたまパフェ」(850円)や季節のパフェとしてこの時期は「キャラメルパンプキンパフェ」(950円)などのスイーツもあり、これも朝から注文できます。

 ケーキ類やキャラメルパンプキンパフェのマッシュカボチャ、ランチのおかず、みそ汁はもちろん、サラダにかけるドレッシングまで、皆上さんのお手製。丁寧で手作り感のある味わいが人気で、取材中にも「スープとケーキ、テイクアウトで」と立ち寄る人がいたりと、地域に根付いています。

店内に掲示されたライブ情報
手書きのイラスト入りメニューもかわいい

 また、店では音楽ライブや落語会などのイベントも開いています。皆上さんは「せまい店なので、演奏家の手元を直接眺めることができ、落語家の汗も見えます。臨場感や会場の一体感を感じられます」と言います。

仲通の緑のファザードが目印

 店は、大通から北側に1本入った仲通にひっそりとたたずんでいます。「珈琲・軽食 ひいらぎ」と書かれたレトロ感のある緑色のファザードが目印。駐車場はないので、近くのコインパーキングの利用を。皆上さんはコーヒーのおいしさで有名な「宮越屋珈琲」でアルバイトとしてコーヒーの入れ方などを学び、2012年8月に独立して店をオープンさせました。その地を創成イーストにしたのは、「たまたま物件があったから」と言いますが、今は「中心部に近くて便利なのに、ほどよく静か」とすっかり気に入っています。

住所/札幌市中央区大通東3丁目1-27 富士ビル1階
電話番号/011・231・3939
定休日/木曜、日曜、祝日(イベントなどの都合で、営業日が変わる可能性があります。インスタグラムかXで確認を)
営業時間/午前7時半~午後6時
座席/2~4人用26席、カウンター6席
完全禁煙
※情報は取材当時のものです

「まるっと創成イースト」特集はこちら👇でも。チェックしてみてくださいね。

小川郁子編集長
小川郁子編集長

 苫小牧生まれ、札幌育ち。ビール、ワイン、日本酒、お酒全般、控えめにいって好きです。食べ物の好き嫌いもほとんどありませんが、ウナギやハモ、アナゴなどニョロっとしたものは苦手です。1996年に北海道新聞入社後は、道内各地や東京で1次産業や政治、行政などを担当しました。2023年5月からTripEat北海道編集長。

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