急速に秋の気配が深まり、山間部では木々が色づき始めています。紅葉の名所、札幌市南区定山渓の札幌国際スキー場では「秋祭り」が始まり、紅葉を眺めるゴンドラが運行されています。同スキー場の10月1週目現在の紅葉の進み具合は、ふもとが4分、山頂は5~6分というところで、10月中旬には見ごろになりそうです。同スキー場と定山渓温泉街の木々の様子を見に行ってみました。
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「札幌国際スキー場」秋祭り 今年も「道産豚のダイナミック焼き」登場
秋祭りは10月1日(火)から始まり、20日(日)まで毎日、紅葉ゴンドラが運行されています。土曜、日曜、祝日には、キッチンカーや屋台が出店するほか、札幌国際スキー場の秋の名物「道産豚のダイナミック焼き」(500円)を今年も提供します。1本3~4キロの北海道産豚ロースを1時間半から2時間かけて炭火で焼き上げており、余分な脂が落とされ、柔らかくしっとりした味わいが人気です。チップや鮎のいろり焼き屋台も登場します。
ジャグリングや銅像パフォーマンスなどの大道芸人も登場します。午前11時からは先着30人限定で、北海道産のジャガイモ詰め放題(200円)も実施します。
ゴンドラから見下ろす山肌は少しずつ秋色に
スキー場を訪れた10月2日(水)は、あいにくの雨。ふもとのゴンドラ乗り場の気温は15度です。木々の葉っぱは、やや黄色みがかっており、雨で煙ってはいるものの、もう夏の色合いでないのが分かります。スキー場に近付くにつれ強まる雨足を気にしつつ、とりあえず山頂まで登ってみることにしました。
ゴンドラに乗って数分。標高が高まるにつれ、窓越しに見える木々が色づいてきているのが分かります。
見どころは、ゴンドラに乗ってから7~8分。「雨降りでなく、日が差していたらきれいだろうなあ」とつぶやきながら、ゴンドラに揺られます。15分ほどで山頂に到着です。
ゴンドラを降りると、しとしとと霧のような雨。山頂のカフェの裏に回ってみると、鳥居があります。晴れていれば鳥居越しに小樽の街並みや日本海が眺望できるはずですが、まったく見えません。ここにはスマホ台が設置されていて、撮影スポットになっています。
景色は見えませんでしたが、かまくらのような白いドームがありました。中には札幌三吉神社で安全祈願をした祈祷木札が設置され、おみくじをひくこともできるようになっていました。
山頂では、この鳥居前やゴンドラ降り場から50メートルほど下った屋根付きのリフト降り場、さらにそこから5分ほど斜面を下った展望台が、景色を見渡すことのできるビューポイントです。この日は、残念ながらあきらめることにしました。
また、山頂のカフェ「SKS INTERNATIONAL Cafe」は、紅葉ゴンドラ運行中は毎日営業。オーガニックコーヒーやソフトクリーム、スイーツを販売しており、これからの季節はクラムチャウダーやミートパイなど温かいメニューにも手が伸びそうです。
紅葉は「平年並みからやや早め」 10月3連休ごろがピークに?
下りのゴンドラからも、木々の色づきを楽しみました。スキー場を運営する札幌リゾート開発の松永健太さんは「紅葉の進み具合は、平年並みからやや早め。昨年は猛暑が秋まで続き、紅葉するひまもないような異例な年でしたが、今年は楽しめそうです」と話します。10月中旬、12日(土)~14日(月)の3連休周辺が紅葉も人出もピークになりそうとのことです。
紅葉ゴンドラは往復で中学生以上1500円。小学生800円、65歳以上1300円、未就学児は無料。10月20日(日)までの午前9時半から午後3時半までです。期間中、定山渓温泉街とスキー場を結ぶバス「紅葉ゴンドラライナー号」も運行しています。
また、札幌国際スキー場のホームページでは、紅葉の状況を伝えるライブカメラや気温、イベント情報などを掲載しています。
住所/札幌市南区定山渓937 |
電話番号/011・598・4511 |
「紅葉深度」20%、冷えとともに色づき進む定山渓温泉街
スキー場を離れます。相変わらず天気は良くないのですが、山道を過ぎると雨は小降りになりました。なんとなく消化不良で、定山渓温泉街でも紅葉を探してみることにしました。
スキー場から定山渓温泉に向かう道路「定山渓レイクライン」は定山渓ダムのさっぽろ湖の脇を走っています。途中、道沿いのパーキングエリアに併設された第一展望台に上ってみました。奥に見える小天狗岳はまだ緑色ですが、手前のモミジなどが赤や黄色に色づき始めていました。
定山渓温泉街の紅葉スポットで、色づきを確認します。定山渓大橋の下流側はまだ1~2分というところ。上流側はそれよりは少し、黄色が目立っているようです。
温泉街から定山渓ダムの下流園地に向かう道の時雨橋の両岸は、緑の中に赤や黄色がちらほら見える程度です。その上流の紅葉橋周辺も、同じくらいです。
自然の風景をイルミネーションやプロジェクションマッピングで彩る夜のイベント「定山渓ネイチャールミナリエ2024」が開かれている温泉街のかっぱ淵にも足を運んでみました。下流から二見吊橋を眺めると、ところどころ、ちょっとだけ色が変わり始めています。紅葉が進むと、周囲の黄色やオレンジに、真っ赤な吊り橋が映える絶好の撮影ポイントになります。
定山渓観光協会マネージャーの橘真哉さんは「このところ、朝晩は冷えるようになってきて、一気に紅葉が進んでいます」と説明。紅葉のピークを100として、どのくらい色づきが進んでいるかを示す、同協会独自の「紅葉深度」は定山渓と豊平峡ダムが20%、八剣山が30%、札幌国際スキー場が40%。橘さんは「見ごろは10月中旬ごろ」とみています。
10月21日(月)までは、定山渓温泉街周辺の紅葉スポットを巡る「紅葉かっぱバス」も運行されています。定山渓観光協会前発着で、定山渓大橋やアイヌ文化交流センターピリカコタン、八剣山ワイナリーなどを約70分かけて巡るボランティアガイドの案内付きのバスツアーで、1人700円。例年、温泉街を通り抜けますが、今年は見返り坂付近が工事中のため、温泉街に入らず、代わりに定山渓ダムまで足を伸ばします。予約はできませんが、午前9時から当日分の乗車整理券を配布します。問い合わせは観光協会の電話011・598・2012へ。
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昨秋の定山渓の紅葉の様子はこちらで紹介しています↓