道が主催する日本酒コンクール「北海道米でつくる日本酒アワード2022」で、帯広畜産大構内にある上川大雪酒造(上川管内上川町)の酒蔵「碧雲(へきうん)蔵」の清酒「『十勝』特別純米」が最高賞のグランプリに輝いた。開催は昨年度に続き2回目。道産酒米を全量使った全国20銘柄を専門家や一般消費者ら約600人が試飲し、単独1位の評価を受けた。
道内16、道外4の酒蔵が1銘柄ずつ出品した。審査は9月中旬に札幌市で行われ、銘柄を伏せた状態で参加者が試飲し、香りや味、飲みやすさを評価した。
グランプリに選ばれた十勝特別純米は道産酒米「吟風」を原料とし、適度なミネラルを含んだ札内川水系の地下水を仕込み水に使った。豊かなうまみと上品な香りの楽しめる酒に仕上げたといい、豊かな余韻が残る飲み口で、十勝のチーズや肉料理などと相性がいいという。表彰式は10月18日に札幌で行われた。
碧雲蔵は2020年4月開設。杜氏(とうじ)の若山健一郎さん(51)と杜氏補佐1人、蔵人5人の計7人が働く。平均年齢は30歳ほどと若く、杜氏以外は3年以内に酒造りを始めたばかり。今回は仕込み2年目の清酒での快挙となり、若山さんは「蔵人の経験が浅く受賞はまだ先と思っていた。今後の伸びしろが大きい酒蔵。十勝のお客さまのため、おいしいお酒をつくりたい」と意欲を語った。
アワードは、お酒をよく飲む人の「吞兵衛部門賞」や、あまり飲まない人の「初心者部門賞」、女性が選ぶ「女性賞」など七つの賞があり、今回は全て道内の酒蔵が選ばれた。
十勝特別純米は720ミリリットル入り1980円。碧雲蔵の直営店や市内の酒販店などで扱っている。問い合わせは碧雲蔵、電話0155・67・5901へ。(田口友博)
(北海道新聞2022年10月26日掲載)