小樽には、老舗の餅屋さんが今も残っています。市民にはそれぞれ「大福なら○○店の豆大福が好き」「べこ餅は○○店のしか食べない」などと、お気に入りの餅屋さんがあるのです。
小樽で餅屋が長く愛されてきた背景には、かつて荷役などに携わる港湾労働者たちが多く集まっていたことがあります。仕事の合間に手軽に食べられて腹持ちがいいと言うことで、彼らが餅を好んで食べていたという訳です。また、小樽は北海道の物流拠点だったことから、道内から小豆や砂糖、本州からは米が集まり、餅作りの材料が揃っていたことも餅屋が多かった理由と言われています。
そんな小樽の餅屋さんは、それぞれに個性豊か。たとえば同じ「べこ餅」であっても全然違いますので、ぜひ食べ比べを楽しんでみてください。
雷除志ん古(かみなりよけしんこ)
創業は150年以上も前で、小樽で最も古い餅屋さんです。こちらの大福は、定番の白、草、豆などのほか、香ばしい「ごま大福」が人気です。そして、雷除志ん古の大福はあんこがややしょっぱいのが特徴。4代目となる現在のご主人が二日酔いの時に、「口あんばいがいいような味」にしたところ、塩気のきいた今のあんこになったのだそう。
今年から新たに、餅生地にくるみを混ぜ込んだ「くるみ大福」や、黄色い餅にかぼちゃあんが入った「かぼちゃ大福」も加わりました。
さらに、店頭にあるとラッキーなのが「甘納豆もち」。やわらかい餅の生地に、甘納豆が練りこまれています。全体的にほんのりと甘く、たまにゴロっとそのままの甘納豆が入っていて、食感も楽しいお餅です。
ちなみに、朝の5時30分開店にも関わらず早朝から常連客が詰めかけ、昼過ぎには売り切れてしまうこともあるので、午前中の早い時間に行くことをオススメします。
▽住所/小樽市若松1丁目5-13 |
▽TEL/0134-22-5516 |
▽営業時間/5:30~売り切れ次第終了 |
▽定休日/日、祝日 |
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山照 開福餅(やましょう かいふくもち)
「ツルヤ餅菓子舗」のべこ餅と対照的なのが、「開福餅」の一番人気という、硬いべこ餅です。昭和13年創業の「開福餅」のべこ餅は、かなりしっかりとした食感なので、初めて食べた方は驚くかもしれません。ただ、昔はこれが普通だったそうですよ!
硬い理由のひとつが、黒糖の多さです。沖縄産とタイ産をブレンドした黒糖を、上新粉と求肥と共に練り上げるのですが、黒糖が多いとすぐに固まってしまうため、練り作業は結構な重労働になるのだとか。それほど黒糖が多いのです。
そんな硬めのべこ餅を、あえて1日置いてさらに硬くし、さっと両面を焼いてから食べるというツウの方もいるそうですよ。
▽住所/小樽市錦町21-9 |
▽TEL/0134-23-1729 |
▽営業時間/8:00~17:00 |
▽定休日/日曜 |
みなともち
昭和24年創業です。本店のほか、JR小樽駅にも近い中央市場内にも店舗があり、広く市民に愛されているお店です。
みなともちの人気の品の1つが、「草べこ」という緑のべこ餅です。ヨモギを使った「草べこ」は、餅屋さんの多い小樽でも他店では見かけない商品です。
そして、もう1つの人気が「煮込団子」。実は元々「しょうゆ団子」というネーミングで昔からある商品でしたが、「2回も煮込んで作っているのだから…」と、商品名を変えました。
1回目は生醤油で煮込み、2回目は甘めの醤油ダレで煮込んでいるとのことですよ。道産ななつぼし5割、国産米上新粉5割を使って作られており、月・水・土の曜日限定で販売しています(※年末年始など、変更もあり)。
品揃え豊富なので、老舗のいろんな味を楽しんでみてはいかがでしょう。
◇本店 |
▽住所/小樽市花園4丁目10-13 |
▽TEL/0134-23-2555 |
▽営業時間/8:30~17:00(売り切れ次第終了)※12月31日は12時閉店。1月1日から1月13日まで休業 |
◇中央市場 |
▽住所/小樽市稲穂3丁目11番3号 |
▽TEL/0134-27-5515 |
▽営業時間/10:00~14:00(売り切れ次第終了) |
▽定休日/両店とも日曜、祝日 |
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