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2023.02.27

From北海道新聞

優しい味にほっとする 手焼きせんべいはいかが

北海道新聞記事
北海道新聞記事

 お茶請けの代表格「せんべい」。草加せんべいに代表される米タイプ、小麦粉を使った南部せんべい、甘めのバターせんべいなど多くの種類があります。老若男女に愛されるおやつを手作りしている現場を訪ねました。おせんべい、焼けたかな?   (ライター・八島美穂)

親子3代で守る懐かしの味
あおきや製菓<札幌市手稲区>

「あおきや製菓」一番人気の「のりせんべい」
<一番人気 のりせんべい>厚めの生地で、砂糖の甘さと、アオサのりの風味が絶妙。「懐かしいと喜ばれる人気ナンバーワン商品」。大袋入り(20枚程度) 250円

 小樽にほど近い星置の住宅街にある、創業約70年の「あおきや製菓」。初代の松本尚年 さん、息子の敏明さん、孫の巧也さんがあうんの呼吸で作業しています。

 「父がせんべいの機械を製造していたため、見本で焼いたのが始まり」と尚年さん。当時は甘い菓子が少なく、「おいしい、食べたい」と大反響で、職人から学び本格的にせんべいを作り始めたそうです。

 「小麦粉と砂糖、水を練り合わせ、鉄板に挟んで焼くだけ。作り方は単純ですが、その日の気温や湿度によって配合を調整するのが肝心です」。1時間かけて鉄板に火を回し、焼き始めますが、「すぐに焦げるので手を休められない。気が抜けない作業の連続」だそう。1枚ずつ丁寧に鉄板からはがし、丸めたり、砂糖を塗ったりして仕上げます。

親子3代で歴史ある味をつなぐ「あおきや製菓」の松本尚年さん、巧也さん、敏明さん (左から)
親子3代で歴史ある味をつなぐ松本尚年さん、巧也さん、敏明さん (左から)
工場入り口ではハネモノなどを格安で販売

 優しい口当たりの「バターせんべい」や、ピリッとした「しょうが」など8、 9種類を製造。卸販売がメインですが、工場では規格外のハネモノなど一部の商品を大袋に入れて販売しています。「温かいお茶が恋しい季節になると、『せんべいが食べたくなる』と訪ねてくる人が多い。そんな声に励まされて作り続けています」(敏明さん)

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札幌市手稲区星置南3丁目1の7、電話011・681・2773、午前7時~午後6時、日曜・祝日休み

海外にもファンを増やす
タケダ製菓<札幌市北区>

「tケダ製菓」一番人気の「四角い仲よしあめせん」
<一番人気 四角い仲よしあめせん>伝統製法の南部せんべいに水あめを挟んだ一品。夏場は水あめが溶けやすいため、10月~4月末の限定販売。丸型もあります。108円

 南部せんべいを中心に二十数種を製造、販売する「タケダ製菓」は1964年創業。工場併 設の売店は地域で長く親しまれています。

 2代目の武田晃和社長は「母の実家が後志管内倶知安町で南部せんべい工場を営んでいたのがルーツ。軟石の窯で、じっくりと火を入れる伝統の技法を守っています」と話します。 生地を作り、型に入れて焼き、仕上げるまでの全てが手作業で「自然と心がこもります」。

 6年ほど前から、中国や韓国などアジア圏でも商品を販売。「北海道旅行で食べて好きになった、と注文がありました。日本にしかない味だと喜ばれ、改めて手焼きせんべいと、良質な素材に恵まれた北海道の魅力を実感しています」

タケダ製菓の武田社長と海外で人気の「北海道牛乳ソフトせんべい」
「世界中の人においしいと言われるものを作りたい」と武田社長。手前は海外で人気の「北海道牛乳ソフトせんべい」
素早い動作でせんべいを焼き上げるタケダ製菓の従業員ら
素早い動作でせんべいを焼き上げる

 4月には、ナッツを入れたクッキー風のせんべいを発売予定。新旧の味わいがおやつ時間をいっそう豊かにしそうです。

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札幌市北区新琴似12条6丁目8の2、電話011・761・4669、 午前8時~午後5時、土・ 日曜と祝日休み。工場売店のほか、市内スーパー、コンビニエンスストアなどで販売。オンライン通販あり。http://www.takedaseika.jp/

道産米のおいしさかみしめて
サムライ煎兵衛<札幌市中央区>

「サムライ煎兵衛」一番人気の「醤油(しょうゆ)味」
<一番人気 醤油(しょうゆ)味>ゆめぴりか、ふっくりんこ、おぼろづきの3種があり、米の特徴がよく分かります。各140円

 道産米せんべいの専門店。堅めでしっかりとした味わいの「ゆめぴりか」、薄焼きで軽やかな「ふっくりんこ」、米粒を残したザクザク食感の「おぼろづき」の3種類のせんべいに、しょうゆやごま塩といった定番から、トリュフ塩などの変わり種まで15~20種の味を組み合わせています。

 母親の実家が白石区のせんべい店「鎌田製菓」という三瓶匡祥さんが、「せんべいで道産米の魅力を発信したい」と2015年に店を開きました。

店頭でせんべいを焼くスタッフ
店頭でせんべいを焼くことも

 店内で1枚ずつ手焼きする香ばしい味わいが好評です。こまめに返してムラなく焼くのがポイントだそう。もち米のおかきタイプや、鎌田製菓の道産小麦せんべいも販売しています。

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札幌市中央区南2条西25丁目1の18、電話011・618・0550、午前10時~午後6時(日曜・祝日午後5時まで)、不定休。オンライン販売あり。https://samurai-senbei.com/

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素材の滋味が広がる「札幌せんべい」
我国(わがくに)煎餅店<札幌市東区>

「我国(わがくに)煎餅店」一番人気の「たまごせんべい」
<一番人気 たまごせんべい>水を使わず、小麦粉と砂糖、卵のみで1枚ずつ手焼きしています。札幌市の記章・六角形に、時計台の焼き印入り。12枚入り356円

 せんべい一筋70 年。宮城県出身の佐々木裕さんは地元の専門店で修業し、1968年に憧れの地・札幌で創業しました。「添加物を使わず、砂糖、小麦粉、卵だけで作るカステラの堅焼きのような瓦せんべいが基本」といいます。

 道産素材を使い、時計台の焼き印を押すなど工夫した商品は周囲から「札幌せんべい」と呼ばれ評判に。小売りを望む声が増え、40年前に店舗付きの工場を構えました。

 早朝から昼過ぎまで、1人黙々とせんべいを焼く佐々木さん。気温や湿度、種類ごとに生地の配合を変え、焼き加減を見定める「根気が必要な仕事」と話します。

 道産のチーズやカボチャの種入り、クリームをはさんだコーヒー味など、バラエティーに富んだ15種類を製造販売。「創業時から変わらず、堅すぎず、甘すぎず、飽きずに食べやすい味を守っています」

創業時からの道具でせんべいを手焼きする「我国(わがくに)煎餅店」の佐々木さん
創業時からの道具で手焼きする佐々木さん

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札幌市東区北28条東13丁目3の8、電話・FAX 011・721・6440、 午前8時~午後6時、日曜・祝日休み。電話・FAXでの注文も可

(北海道新聞地域情報版「さっぽろ10区」2023年2月17日掲載)

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