今が旬の高級果物「夕張メロン」。道産子ですら普段なかなか食べることができない夕張メロンを思う存分食べてみたい! この時期だけにオープンする、夢のような「夕張メロンの食べ放題」があると聞きつけ、行ってきました夕張に。
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夢の夕張メロン食べ放題(8月14日まで)
場所は国道274号沿いの夕張市農協銘産センター(滝ノ上)の2階の「めろんのテラス」です。
ここではメロンを含むランチビュッフェが60分間限定で、中学生以上3300円、小学生2200円、3歳~小学生未満1100円、2歳以下無料で食べる事が出来ます。
ちなみに今年の札幌市中央卸売市場の夕張メロンの初競りでは、2玉300万円のご祝儀相場が付きました。歴代3番目の高値です。
ビュッフェ会場に入ってすぐ、どど~んと並ぶのは正真正銘の夕張メロンたち。メロン好きにはたまらない夢の光景です。メロンは8分の1カット。コロナ感染対策のため1度に皿に盛れるのは1人3切れまでになっていますが、食べ放題ですからお代わりは何度でもOKです。1人で3玉分食べた強者もいるらしいですよ。
名前の通りテラス席もあるので、天気が良い日はもちろん、コロナ対策としても安心感があります。
今年の開催期間は8月14日まで。期間中は無休で、営業時間は午前11時から午後3時30分(最終入場は午後2時30分)です。予約も可能です。ただし予約は午前11時、午後0時10分、午後1時20分の3種類。
ちなみに食事も食べ放題になっていて、サラダやパスタ、ザンギ、カレーライスなどもありました。野菜は夕張近郊で採れたものを使っているそうです。
食べ放題は今年で6年目で、週末には150~200人が訪れるそうです。この日は平日でしたが、観光バスのお客さんが来てました。
めろんのテラスチーフの渡邊恵さんは「夕張メロンの食べ放題はめったにないので、この時期のみのイベントとしてぜひ家族で利用してください」とPRしていました。ちなみに生まれも育ちも夕張という渡辺さん。「朝ご飯にメロン、おやつにもメロンで育ちました。メロンはもらうもので、買ったことはありません。夕張市民のあるあるです」とのこと。羨ましい限りです。
1階でも夕張メロンを食べたり、買ったりすることができます。
〈山﨑編集長☆発〉新鮮野菜が主役のバーベキューはいかが?恵庭で採れたて野菜を蒸し焼きに
圧倒的な廃墟感! 夕張市石炭博物館
さて、せっかく夕張に来たなら「メロンだけじゃもったいない」ので、ぐるっと回って見てきました。駆け足でご紹介します。
まずは夕張市石炭博物館です。近づいてきました。子供の頃に「石炭の歴史村」に遊びに来て、その後、取材で何度か来たことがある身としては、少々もの悲しさが募ります。
知らない方にざくっと解説。石炭の歴史村は、夕張市が1977年に閉山した北炭夕張炭鉱跡を「炭鉱から観光へ」をキャッチフレーズに再開発したものです。80年度以降、博物館や遊園地を順次開業し、初年度は18万人が訪れました。69ヘクタールもの広大な敷地に、石炭博物館、遊園地の「アドベンチャーファミリー」「ロボット大科学館」「知られざる世界の動物館」「夕張キネマ館」などなど盛りだくさんあり、市の第三セクターが運営していました。しかし、にぎわいは続かず。市は歴史村整備などの借金が返せなくなり財政破綻します。歴史村の施設は博物館など一部を残し、2006年以降に閉鎖され、三セクも負債74億円を抱えて自己破産。観覧車やジェットコースターは解体されましたが、まだ数多くの構造物が残っています。
廃墟マニアの心をくすぐる場所があちこちに…
1階では、11月6日まで無料観覧できる「炭鉱の夕張」が開催されていました。当時の写真や坑道の模型などが展示されていて、楽しめます。
余談ですが、ロビーに展示されている北炭夕張炭鉱で坑内排水ポンプや坑内機関車などの動力として使われたコンプレッサー(空気圧縮機)は、1922年(大正11年)にアメリカから27038円で購入されたもので、今年でちょうど100年になるそうです。
風情満載 ゆうばりキネマ街道
石炭博物館からすぐの場所にある夕張市本町商店街を貫く「ゆうばりキネマ街道」にも立ち寄りました。
街道を管理する本町商店街振興組合は、かつて組合員が200を数え、看板も90枚ほどありましたが、今では組合員も減り、看板も数えるほどに。それでも風情があって、1つ1つ看板を見ていくと楽しく、もしこのまま朽ち果てていってしまうとするならば、非常にもったいない、と思えるすてきな街道でした。
幸福感じる「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」
夕暮れ時となり時間も迫ってきましたが、もう1つ、絶対に行かねばならない場所が。そう「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ想(おも)い出ひろば」です。
言わずと知れた山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」で、主人公の高倉健さんと、倍賞千恵子さん演じる妻が再会を果たしたラストシーンのロケ地です。
林の中のすてきな小道を抜けると青い屋根の長屋が見えてきます。木々の葉を揺らす風がとても気持ち良く、思わず癒やされそうになりますが、撮影当時は「住宅街のど真ん中」だったんですよ。
ぜひ、入場券の券売機があるカフェ「旧浜松理容院」で、当時の写真と見比べてください。
ひろば入り口にある旧浜松理容院は昭和20年代建築の木造の一軒家。市民有志による長年の保存活動の結果、訪れた人が語り合えるカフェとして整備されました。
もちろん炭鉱住宅長屋の奥には、映画のクライマックスシーンのように、さおに掲げた無数の黄色いハンカチが風に揺れてはためいています。
本当に幸福になれそうな、そんな気になる場所でした。オススメです。
夕張名物シナモンドーナツの地元民がする「ツウな予約」
最後に閉店間際の菓子製造「うさぎや」(鹿の谷1)へ。店に近づくとシナモンの良い香りが漂ってきます。有名な「シナモンドーナツ」は、相変わらずのおいしさでしたが、なんと、砂糖だけの「シナモン抜き」や、砂糖もシナモンも無しの「何も無しで」という頼み方があることを教えてもらいました。いずれも当日の朝までの予約が必要で、お店に取りに行くことが条件です。
地元民だけが知っている「ツウな注文の仕方」なので、ぜひお試しあれ。王道のシナモンドーナツも確実に手に入れたい方はぜひ予約を。
〈山﨑編集長のワイナリー巡り〉⑤宝水ワイナリー(岩見沢)テロワールが溶け込んだ手工芸ワイン
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022
札幌からの弾丸夕張ツアーの本当の最後は、3年ぶりに夕張でのリアル上映となった「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2022」です。「合宿の宿ひまわり」で開催された歓迎セレモニーには、俳優の黒木瞳さん、加藤雅也さんら映画関係者と、夕張市民ら映画ファンが大勢集まっていました。1990年に誕生した歴史ある映画祭。財政的に非常に厳しい運営状況が続いていますが、継続する方法をみんなで模索していきたいものです。
〈TE旅の提案〉春の北海道をゆったり巡る~ ⑤旭川・富良野・帯広編