【江別】「ノースアイランドビール」のブランド名でビールを製造するSOCブルーイング(元町11)は、今年も江別産のホップや大麦を使用した「オール江別」のビール造りを進めている。8月下旬には市内豊幌地区の畑でホップを収穫した。昨年は風味が自社の基準に届かず、一般発売を断念しただけに、関係者は今年の出来に期待を寄せる。
8月31日午前、農業生産法人アンビシャスファームの畑で、同法人の職員ら18人が手作業でホップを摘み取った。品種は「カスケード」で、約40株が栽培されている。
栽培4年目の今年は雨の少ない時期もあったが、順調に生育。34キロのホップを収穫した。同法人の柏村章夫社長は「しっかり育ち、昨年より収量が上がった」とほほえんだ。
収穫したホップは早速、SOCブルーイングの工場に搬入。市内美原地区の農業グループ「美原若衆」が栽培した大麦のモルトで作った麦汁と混ぜ合わせると、工場内にホップ特有の爽やかな香りが漂った。
SOCブルーイングは、2009年に札幌から江別に移転した。以降、地元素材のビール造りに挑戦し、昨年初めて江別産のホップ(冷凍)と大麦でビールを仕込んだが、「風味が製品化の基準に達しない」などの理由で販売を見送った経緯がある。
今年は収穫と仕込みのタイミングが合ったことなどから生ホップを使用。「フレッシュホップエール」(仮称)として千リットルを仕込んだ。約1カ月の熟成を経て9月下旬~10月上旬の発売を予定する。ビールの原料には、江別産ハルユタカも使われている。
SOCブルーイングの多賀谷壮工場長は「地元素材でどこまでおいしいビールができるか挑戦している。生ホップを使った年に1度の特別な味わいになるのでは」と完成を心待ちにした。(土門寛治)
(北海道新聞2022年9月7日掲載)
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