北海道のヴィンヤードで地元食材を使った食事とワインのマリアージュを楽しむコープトラベル(札幌)と星野リゾート(長野県軽井沢町)のコラボ企画「ぶどう畑でレストラン」のモニターツアー2日目は、仁木町でのワイナリー巡りとランチです。「ブドウ畑でランチとワインの至福の時を『ぶどう畑でレストラン』ツアー紹介」後編は、<仁木町の魅力編>です。
モニターツアーの一行は、「OMO5(おもふぁいぶ)小樽by星野リゾート」の朝食ビュッフェで腹ごしらえしてから、バスに乗り込んで仁木町に向かいます。
小樽の「歴史的建造物」ホテルでディナーを楽しむ~『ぶどう畑でレストラン』ツアー紹介㊤〈編集長☆発〉
「ワイン神社」あります
最初に訪れたのは、最近、別名「ワイン神社」として知られる仁木神社(仁木町南町2-14)です。
明治12年(1879年)に徳島藩の開拓移民が入植した際に郷土の守護神を地域ごとに創祀(そうし)したのが由緒です。明治36年(1903年)、各地域の諸神を合祀(ごうし)して鎮守神とし、社号を仁木神社と改めてから来年で120年を迎えます。
なぜ「ワイン神社」として親しまれているかと言うと、境内のあちこちにワインにちなんだ奉納品があるからなんです。
ワインとの御縁は、本日のランチ会場になっている「NIKI Hills Winery(ニキ・ヒルズ・ワイナリー)」のオーナーが、この神社を訪れ、非常に気に入ったことが始まりだそうです。いろいろ見てまわると楽しいですよ。
こちらの2つのお守りは、NIKI Hillsのワイン「はつゆき」に描かれている雪の結晶と「和」の印(=わいん)が記された仁木神社オリジナルの「ワイン守り」(1個500円)です。「これからもず~っと美味しいワインが飲めますように」との願いを込めて、ぶどう色のワイン守りを購入しました。
ル・レーヴ・ワイナリー
仁木町最初のワイナリー訪問は「ル・レーヴ・ワイナリー」です。あまりの素晴らしい景色に、バスから降りた参加者から歓声があがりました。
ワイナリーを営む本間裕康さん、真紀さん夫妻は、ワイン好きが高じて札幌から仁木に移住し、ブドウ栽培を始めました。2018年からの委託醸造を経て、20年から自らの醸造所で複数の種類のワインを混ぜて醸造する混醸ワインを造っています。
2.2ヘクタールの畑に、ピノ・ノワールやシャルドネ、ピノ・グリなど13品種を減農薬栽培し、自然酵母を使って年間1万4000本を生産しています。
ゲストハウスも併設している他、土日にはカフェ営業とテイスティング付きワイナリーツアー(1人4500円、要予約)もやっています。
この日は、砂糖の代わりに和三盆を使って二次発酵させた新作のスパークリングワインをいただきました。ご存じ高級品のため、和三盆を使っているワイナリーは道外に1軒あるくらいだそうです。本間さんは「和三盆を使うと瓶内熟成が3カ月と短くても泡のキメが細かい。良いことずくめ。手間とコストはかかるので個人経営だからこそできる」と話していました。
▽ル・レーヴ・ワイナリー:https://le-reve-winery.com/
※「ル・レーヴ・ワイナリー」は記事公開当時の名称です。2023年12月に「ドメーヌ・ブレス」に社名を変更されています。
NIKI Hills Winery
次ぎはいよいよ、メインイベント「ぶどう畑でレストラン」です。会場は、ル・レーヴ・ワイナリーから車で5分ほどのNIKI Hills Wineryです。
NIKI Hillsは2015年10月にオープンしました。
編集長の山崎は2度目の訪問となります。
ワイナリーの詳細はこちらをご覧ください。
〈編集長の北海道ワイナリー巡り〉⑨NIKI Hills Winery(仁木町) 2人の女性醸造家が醸すエレガントなワイン
天気にも恵まれ、丘の上に建つワイナリーからの眺めは、相変わらずの絶景です。
ワイナリーツアーで案内してもらいます。
いざ、ぶどう畑でレストラン
さて、お待ちかねのランチです。抜群のロケーションですよね! 実は実際のツアーのランチ会場は先ほどのル・レーヴ・ワイナリーなんです。シェフも違いますが、「実際もほぼこんな感じの雰囲気だと思ってください」(コープトラベル)とのことです。
NPO法人ワインクラスター北海道代表理事の阿部真久シニアソムリエの解説を聞きながら、いただきますよ。
「記憶に残るレストラン」を目指しているというNIKI Hillsのシェフによる1皿目は、仁木、余市の野菜をたっぷり使ったサラダ「お野菜の菜園風」です。種類によって調理法を変えた野菜の異なる食感が楽しめ、目にも楽しい1皿です。
ワインはNIKI Hillsの現地レストランのみで提供されるケルナーを使ったスパークリング「HATSUYUKI sparkling 2015」。スパークリング好きとしては、1本飲める勢いです。
2皿目は、「ホタテのタルタル クスクス添え」。ワインはNIKI Hillsの「NEIRO 2020」です。バッカスを使った香りの良さが特徴で、「すがすがしい香りで甘みもあるが、ドライでさっぱりしているところは北海道の気候ならでは」(阿部シニアソムリエ)ですよ。
3皿目は「優しく火入れしたシマソイ」と、ル・レーヴ・ワイナリーの「MUSUBI2021」です。ソイがしっかりと歯応えがあって、美味でした。
4皿目は、余市のブランド豚「北島豚」のローストと、NIKI Hillsの現地限定販売の赤ワイン「YUHZOME 2019」。北島豚の焼き加減が本当に本当に絶妙でした!
そして最後のデザートは「NIKI Hillsのフルーツパフェ」。大満足。
料理もワインもそれぞれ美味しかったですが、マリアージュがまさにぴったりで、かつ素晴らしい景色を眺めながらの食事は、美味しさをより一層引き立ててくれました。
ランチ会場には、コープトラベル、星野リゾートの関係者のほかに、仁木町の佐藤聖一郎町長や北海道運輸局の水口猛観光部長も出席するなど、この取り組みへの関心と期待の高さがうかがわれました。佐藤町長は「仁木町は観光が難しい地域だったが、ワイナリーが増えたおかげで可能となった。余市と仁木を1つのエリアとして売り出していき、非日常を体験できることを知っていただきたい」と挨拶していました。
▽NIKI Hills Winery:https://www.nikihills.net/
▽「ぶどう畑でレストラン」ツアーの詳細&申し込みは、コープトラベル(https://coop-travel.jp/kokunai/j0db02/)
仁木ワインバス運行中
「バスツアーには参加できない」と残念に思っている方、こんな手もありますよ。
ワイナリー巡りの最大の問題は、移動手段ですよね?
そんな方に朗報です。仁木町では、JR仁木駅発着で町内のワイナリーなどを巡る土日限定の無料循環バス「仁木ワインバス」を9月18日まで走らせています(9月4日は運休)。いろいろ特典もあるようなので、ぜひ活用してみてください。
ワイナリー以外にも仁木町には、宿泊施設やカフェなどを設けた果物をテーマにした農村公園「フルーツパークにき」や、果物狩りができる農園も多くあります。9月下旬から10月にかけては、大人気のシャインマスカットのシーズンが到来します。ぜひ1度、と言わず2度、3度と訪れてみてください。
<仁木ワインバス>1日5便。約1時間半間隔で運行し、乗り降り自由です。予約なしで乗れますが、5人以上の場合は仁木町観光協会まで事前連絡が必要です。詳しくは仁木町観光協会(TEL:0135・32・2711、HP:https://www.niki-kanko.jp/news/index.php#winebus)。
※情報は記事公開当時のものです
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