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2022.08.20

From北海道新聞

〈これが旬!〉夏のブリ あっさりうまい*後志管内余市町*加工品 収入増に期待

北海道新聞記事
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余市郡漁協の市場で水揚げしたばかりのブリを選別する職員ら
余市郡漁協の市場で職員らが水揚げしたばかりのブリを手際よく選別していた

 海水温の温暖化が指摘される北海道周辺海域で、近年水揚げが増えた魚種の一つにブリがある。後志管内余市町では既にそのブリが豊漁になっていた。脂が乗った寒ブリはこれからだが、漁業者をはじめ加工関係者が期待するブリを見に浜へ出掛けた。(文、写真・編集委員 鈴木雅人)

 7月上旬、余市港に接岸した漁船「第15共栄丸」からブリが水揚げされていた。船主の中島辰浩さん(58)がフォークリフトを動かし、大漁のブリを余市郡漁協の市場に運んだ。

 沖合の定置網で取れたのは約1500本。4~7キロの中型が千本と多かった。6月上旬から漁が始まり、浜値は1キロ当たり200~400円。秋の寒ブリなら同千円以上、高ければ同5千~7千円になるという。

 この時期は「脂がしつこくないので、あっさりめを好む人にはいいね」と中島さん。燃料代などが上がる中「(秋も含め)今後の漁に期待したい」と語った。

「棒丸の天上鰤」の商標登録証を手にする内海社長
「棒丸の天上鰤」の商標登録証を手にする内海社長

 同漁協の市場でブリを扱うのは4、5社で、そのうちの一つ「棒丸内海(うちうみ)商店」(余市町港町87)は、この1500本を8割を関東に、2割を札幌などの道内へ送った。関東は東京・豊洲市場などを通じ、都内のスーパー、料理屋、居酒屋、すし店へ。道内は札幌の荷受業者を通じスーパーや量販店に届く。

 同商店は特に寒ブリを「棒丸の天上鰤(ぶり)」と名付けて2006年に商標登録。東京都内のすし店でも使ってもらっている。余市では寒ブリはお盆明けから取れ始め、11月末まで。内海智一社長(43)は「道内はまだマグロに目がいき、ブリになじみがないのが残念」と指摘する。「本州では脂を落としてブリ大根のレトルトに加工する業者も。フライもいけるし、夏のブリの活用の道はある」

 昨年はこの時期の1~3キロのブリを使い、みりん干しに加工。「軟らかくて味も評判が良かった。冷凍しておけば、いつでも加工できるので今年も取り組んでみようと思う」と話す。

ぼうまるやで提供する丼。右側が身が締まったブリ
ぼうまるやで提供する丼。右側が身が締まったブリ(松嶋加奈撮影)

 事務所内には昨年、飲食店「ぼうまるや」(電話0135・23・2107)を開設。毎週土日限定で、魚介類を刺し身で売り、客がセルフで選び丼にする。夏のブリは2切れ100~150円。生ウニ(8月末まで)、イクラしょうゆ漬けと合わせた丼は2500~3千円。

 同町内の道立総合研究機構中央水試の高嶋孝寛資源管理部長は「海水温上昇でブリの資源量は着実に増えている」と説明。20年には1万5457トンと過去最高を記録。夏のブリは餌を求めて道内沖へ北上、寒ブリは餌を食べて太った状態で南下する。「北海道でも夏のブリをうまく利用できれば、漁業者や加工業者の収入増につながる」とみる。

〈これが旬!〉輝く黄色 ひまわりすいか*空知管内北竜町*糖度11度以上 みずみずしく

*脂少ない道産 削り節、缶詰に

 この時期のブリを加工する動きもある。道立総合研究機構食品加工研究センター(江別市)は、かつお節に代わる「ブリ節」に取り組む。道産ブリは脂が少ない、小さな魚体が多い一方で「うまみ成分のイノシン酸は豊富」(吉川修司食品開発部長)で、脂が無い方が節の身割れ防止に良いという。

食加研が作ったブリ節(左上)。時計回りに、あらなどでだしをとり、節粉も入った「函館ブリ塩ラーメン」、函館水産高生が作った缶詰「ぶりオイル漬け」

 函館水産高(北斗市)水産食品科ではオイル漬けの缶詰を作っている。函館を中心にイカの不漁に悩む道南では、企業とも協力しながらカツバーガーやラーメンなど、ブリを使った新たな名産誕生へ熱が入る。

(北海道新聞2022年8月19日掲載)

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